どーでもいいBL小説部屋

創作BL小説を挿絵付きで書いています
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The thought exceeding a time #3




「・・・・・・おい!ちょっと!君、大丈夫?おい!」
栖「・・・・んっ・・・・?・・・・」


目を開けると知らないお兄さんが俺の肩をゆすっている
俺は身体を起こした

栖「あれ・・・俺、なんで・・・ここ、どこ」
男性「・・・大丈夫?見たところどこも外傷もないから事故ではなさそうだけどさ」

何か・・・何か、おかしい

俺はあたりを見回して直感的にそう、思った

小説3挿絵3

確か・・・・俺はお父さんの部屋でアルバム見てたら結構大きな地震があって・・それからーーー

男性「あんた、そこの中学生とかか?こんな時間に中学生が一人で歩いてたらだめじゃん」
栖「いえ・・俺、家にいてそれで、地震あって、だけど光に包まれてそれで・・・」
男性「・・・・・なんかどっか打った?地震なんてなかったよ。家、どこ?途中まで送るし」
栖「ここ・・・どの辺ですか。こんなとこ、俺知らない・・」

辺りは暗かったけれど、自分のしらない場所だということはわかった
目の前にいるお兄さんにも何か違和感を、感じた

男性「・・・俺は神戸幸典、大学生。なんかアンタ、ボケボケみたいだし、ちょっとそこのファミレスでも食べていこーぜ!俺、おごるよ、バイト代入ったばっかだし。飯食って元気になればなんとかなるだろー」

神戸・・・さん、気さくで親切なお兄さんだ
だけど・・・何だろう、ファッションはダサかった

栖「あ、はい・・・ありがとうございます・・・」
神戸「よっしゃ!んじゃいこーぜ!!」

ご飯は食べたばかりでお腹はすいていなかったけれど、喉はカラカラに乾いていた

俺は神戸さんの後をついていったのだった



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

店内は人でいっぱいだった
なんだろう・・・あきらかに、何か違う

神戸「お前、洒落た服着てんな。わけーのにすげーよ」

そんな事初めて言われた
友達はもっとセンスあるし流行を追っていたし、
俺はそういうのにはまだまだ全然疎いからだった

神戸「俺もセンスは悪くないはずなんだけどな・・・」

神戸さんは大口開けてカツ定食をたべながら器用に話す

栖「そうだ!!携帯・・・携帯どこだっけ」

俺はズボンのポケットの中に手をつっこんだ
しかし携帯はなかった

クソ・・・・充電器にさしたままだった・・・・

神戸「携帯・・・?なにそれ・・・何を携帯、してんの?」
栖「は?携帯ですよ・・・・携帯電話」
神戸「はあーー?お前なに言ってんの!電話とかどうやって持ち歩くんだよ!あんな大きいもの」
栖「・・・・・・・」

俺は・・・・・・さっきまでお父さんのアルバム見てたんだ

神戸「お前、ほんと大丈夫か?どこに住んでるん」

そう・・・お父さんの若いころの写真を、見ていたんだ

栖「え・・・相模大野ですけど・・・」
神戸「んじゃまあそう遠くはないな。電車でここまできたのか?」

1989年の、お父さんとお母さんが写っている写真を見ていたんだ

栖「ここ・・・どこですか・・・」
神戸「えっ・・・相模原だけど。知らないで来たのかよ」


もしかして
もしかして俺は・・・・・・・


いや、そんなことがあるはずが、ない・・・・・

俺は神様に祈る思いで決心して聞いて、みた

栖「あの・・・今平成何年、ですか」

神戸「おい、何言ってんの!1月に平成に変わったばっかじゃねーか。どういう生活してんの」


ーーーーーーーーーーーーー俺の目の前が一瞬グラッとなった
気を失いそうになるくらいのショックに俺は愕然となったのだった


俺は、どうすればいいんだ
この先どうすればいいんだ

明日は待ちに待ったお父さんとのテニスの打ち合いに行くんだ・・・・
ソラにもご飯あげなきゃいけないんだ

栖「俺・・・俺、どうしよう・・・家、ない・・・です」

神戸さんが食べていた手をとめて大きく目を見開いた

神戸「・・・・・・・・・」
栖「・・・・どうしよう、俺・・これからどうしよう」


そして俺はおそるおそる口に出して言った


栖「俺、未来から・・・・タイムスリップした来たみたいです」



つづく


[The thought exceeding a time #3]の続きを読む
The thought exceeding a time #2




賢治「んじゃ今日は塾あるから先帰るなー」
栖「ああ、じゃーなー」

達と別れて俺は学校を出ようとすると後ろから気配がして俺は振り返ったら二宮がいた。

栖「・・・・・・なんだよっ」
二宮「べっつにーーーー!?あのさ、昨日の事なんだけどさ・・」
男子生徒「二宮さん!!」
栖・二宮「!?」

二宮がそう言い終わらないうちに同じクラスの奴が二宮に声をかけた

男子生徒「今からちょっと、付き合って」
二宮「えっ・・・・・あ、うん」

・・・・・・・・・

栖「・・・じゃー、俺これでー」

俺はピンときた。
コイツはきっと、二宮の事が好きなんだろうと。
きっと、これから告られるんだろうなと。

二宮「あ・・・うん、バイバイ・・・」

二宮が一転して暗い表情に、なった
しかし俺には関係ない

俺はそそくさとその場を離れたのだった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺はガムを噛みながら校門を出て歩く

梅雨に入ったというのが嘘みたいな青空
6月って、好きだ。

これから楽しい夏がやってくるから
お父さんが夏休みに旅行へ連れてってくれるから

俺はポケットから携帯を出す
お父さんからメールは、ない

俺ががっくり肩を落とすと、

二宮「セイーーーーーーー!!」

後ろから大きな呼び声とともに二宮がこっちに向かって走ってきた

栖「はあ!?なんでお前・・・だって」
二宮「うん・・・あのね」
栖「なんだよ・・・なんで追っかけてくんだよ・・・」
二宮「もしかして、怒ってる・・・?」
栖「なんで俺が二宮に怒らなきゃなんねーの。意味わかんねー、うっぜーなあ」
二宮「そうやってテキトーに嫌そうにあしらわないで!」

二宮が珍しくまじめな表情で俺を見る

俺は反射的に顔を、そむけた

二宮「なんでそんなに私に冷たいの。・・・いいかげんわかってるでしょ」
栖「は?なにが」

二宮「セイの鈍感!!バカ!!・・・私はセイの事が好きなんだよ!!!」
栖「・・・えっ・・・」

二宮がこぶしをぎゅっと握りしめ俺を見つめた


綺麗な夕日に包まれ、しばらく俺達は沈黙になった


・・・・・・
二宮が俺の事をそんな風に思ってただなんて俺は本当に気付かなった
二宮の事をそんな風に考えたことももちろん、なかった俺だった

栖「俺・・・・お前の事、なんとも思ってねーよ」

自分でもびっくりするくらい残酷な言葉が出た
そして二宮の表情が暗くなる


二宮「・・・・そっか、わかった・・」

そう言って二宮は俺の前を横切り去っていったのだった。。。。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時計を見ると夜の8時を過ぎていた
お父さんはまだ帰ってこない

お風呂掃除を終え、洗濯物を取り込み終えた俺は居間で、
撮りためておいたアニメを見ながらコンビニ弁当を食べていた

俺も・・・・そろそろ自分で簡単な料理でも出来なきゃだめだな・・・
そう思いつつ、お父さんが仕事で遅くてご飯作れない時はほとんど出来物の弁当かカップラーメンだった

もし・・・もし母さんが生きていたら・・・・

毎日夕飯作ってくれてたんだろう
毎日、俺が帰ったら”お帰りなさい” って言ってくれたんだろうか


俺はいつも夜、一人になると無性に寂しくなる
朝になって学校いけばなんてことないのに
友達と、お父さんといるときはこんなこと微塵にも思わないのに

心にぽっかり穴が開いたようにむなしく、なる
寂しくて苦しく、なる

まるで


この世で人類が俺だけしか存在しないんじゃないかとさえ、思う

栖「お父さん・・・まだかな・・」

俺は、弁当を食べきらないまま、席を立ち居間を出てお父さんの部屋に入った

お父さんからは、あまり勝手に入るなと言われているけど
寂しくなるといつも俺はここにくるのだった

そしていつものように俺は本棚からアルバムを取り出す
そしておもむろにページをめくった


{1989年、8月、部員のみんなと}

テニス部のみんなで撮った写真だろう
若かった頃のお父さんが無邪気な顔で笑っている
イケメンだ、絶対にモテたに違いない

そしてマネージャーだった母さん


なんて・・・なんて楽しそうな写真なんだろう・・・

栖「母さん、俺、今日初めて女の子から告白・・・されたよ」

俺は独り言のようにボソッと言った

俺は写真に見入っていた

お父さんと母さんの”なれ初め”というやつを俺は知らない
お父さんが照れて恥ずかしがって教えてくれなかったのだった

だけど一つだけ教えてくれたことがあった

それは、

二人にとってかけがえのない友達のおかげ、だと言っていた

二人というのはお父さん、母さんの事だ


恋のキューピットになってくれたその友達がいなかったら
俺は、この世に産まれてなかったんだろうか
それなら俺はその人に感謝しなければいけない・・・

そんなことを思いつつ眺めていたらふとグラッと揺れた

地震だ
なんてことない、そう思っていると

ゴゴゴゴ・・・・・・!!   


あたりが激しく揺れだす

栖「うわ・・・っうわわわ・・・・・・っ!!」

その場でただ慌てふためいていると
激しい音とともに持ってるアルバムの写真から閃光が放たれた

栖「・・・・な!!!!!???」


小説3挿絵2





そして俺は、激しくまばゆい光の中に吸い込まれていったーーーーーーーーーーー




つづく




The thought exceeding a time #1






キーンコーンカーンコーン・・・

校舎に鐘が鳴り響く
俺はカバンの中からお弁当を取り出した

「セーーーーーーーーイ!!やっと飯だなーっ」
「うわ、今日俺の弁当、からあげ入ってる!!やりっ」
「うお、一個もーらいっ!」
「あ!!てめ、ふざけんな」

二人で騒いでるのは小学校からの親友の亮汰と賢治

賢治「お前の弁当もいつもすげーな。だってそれ、オヤジさんが作ってるんだろ?」
栖「うん。お父さん料理大好きだからな。なんでもできるし」

亮汰「うわ、またセイのお父さん大好き病が始まったよ」
栖「うっせー」


俺は私立の中学校に通う中学1年生

小学校から大学までエスカレーター式になっていて
いわるゆる俺は、’お受験’というものをさせられた

小さいころは面倒くさくて嫌だったけれど、
これからの事を考えれば楽なのかもしれなかった


家はそこそこ裕福だ・・・・・と思う

お父さんは不動産会社の社長で36歳
カッコよくて優しくて仕事もバリバリやってて、料理も出来て自慢のお父さんだ

俺はお父さんが大好きだし、尊敬している


今一番の楽しみは、毎週お父さんと行くテニスの打ち合い
どんなに仕事が忙しくても、毎週連れて行ってくれるんだ

お父さんがテニスをやっていた影響で
俺も小さいころからテニスを習い始めた

だけどこの中学校では軟式しかなかったので、俺はテニス部には入らなかった


亮汰「今日、町田でもよってかねえ?ゲーセンいこうぜえ。新しい台入ったんだ」
賢治「あ、俺パス。今日塾だ。またサボるとババアにしかられる」
栖「ババアって・・ひどくねえ?お前のお母さんいくつ」
賢治「んーーー35。あーあ・・行くのやだなあ」
亮汰「親にしちゃわけーじゃん。うちなんて42だぜ」


35歳・・・・

俺の母さんが生きていたらきっと、そのくらいの歳なんだ・・・

俺の母さんは身体が弱くて
俺が幼稚園の時に白血病で亡くなった
なのでうっすらとしか覚えていない

写真で見たかぎりでは、清楚で綺麗な女性だった
お父さんとお似合いのカップル、だと思った

いわゆる美男美女のカップルだったんだろう

だからお父さんが男手一つで俺を育ててくれた

亮汰「あ・・・セイんちってお母さんいないんだったな・・ごめん」
栖「別にいーよ、今更」


こんな他愛もない話をしながら俺たちは楽しくお昼時間を過ごしたのだった



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

栖「ただいまーーーーーーソラ」

俺は愛猫のソラを抱きかかえる

家に帰ってまずやる事、ソラにご飯をあげる事だ

棚からキャットフードを取り出し、ソラの前においた
ソラが勢いよくかぶりつく

栖「そーとー腹へってたんだな!食え食え」

俺はしばらくソラを眺めた


俺の住んでるところは相模大野の駅から5分
築5年の高層マンションの3JDKで日当たりもよく
交通の便もいいので気に入っている

友達と買い物に行くのはだいたい町田だった
本当はもっと都心に出たいけれど、
お父さんに「お前には新宿や渋谷はまだ早い。高校生になったらな」
こう言われたのだった

みんなはもう、原宿とか遊びに行ってるのに・・・
なんか納得いかない俺だったけど
お父さんのいう事は絶対なので仕方なかった

ふと、携帯の着信が入った

ポケットから取り出すと、お父さんからだった

博巳「お、セイ、もう家か?」
栖「うん!!どうしたの」
博巳「今日仕事早く終わったから中華でも食べに行くか」
栖「マジで!!?やったーーー!行く行く」
博巳「じゃあ、駅前のカフェで適当に時間つぶしてるから、ついたら連絡しろな」
栖「ラジャー!」

俺は電話を切った

そしてそっこーで着替えて家を出たのだった


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

お父さんと会い、俺たちはよく行く中華料理店で楽しく食事をしている

博巳「学校はどう?楽しいか」
栖「うん。こないだ席替えであんま好きじゃねー奴と隣になったけどまあ、それ以外は」
博巳「ははっ。俺も中防んときそれだけで学校行くのイヤになったりしたなあ。男か?」
栖「えー?女だよ。ギャーギャーうるせーし、なんかすげー俺に世話やいてくるしつっかかってきてウザい」
博巳「お前、女心わかってないな。お前の事好きなんだよ。うザいとかかわいそうに・・・俺だったら隣が可愛い子だったらもうそれだけで学校がバラ色になったもんだけど」
栖「えーーーーー!!だってブスだし・・・うん」

俺がそう言うとお父さんが箸をおいた

博巳「いいか、その子にブスとか絶対言うなよ。その一言でその子の一生が変わるかもしれないんだからな」
栖「ええ!?大げさじゃん!?ブスくらい・・・」
博巳「セイ!!返事は」
栖「・・・・・・はぁい」

俺はむくれた

博巳「お前が大人になったらわかるよ。こういう事も」
栖「・・・・・・・・」

大人になったら・・・・

俺がお父さんくらいの歳になったらどうなっているんだろう
20年以上も先の事なんて想像すらできなかった

でもこれだけははっきり言える

俺は

お父さんみたいなカッコいいオヤジになりたい

間違っても、その辺でうなだれてる、生気のない死んだ目をしたクサッたサラリーマンには
なりたくない


そう思ったのだった


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


店を出てお父さんと並んで歩く

「あれ、セイ!!やっほーーー!!」

前から聞き覚えのある声がした

栖「うわっ・・・二宮・・・げ」
二宮「げってなんだよ!!あ、同じクラスの二宮です」
博巳「こんばんは、どうも。セイの父です。もしかしてセイのガールフレンドかな?」
栖「ば・・・っ断じてちげーよ!!隣の席なだけだよ」
博巳「!こんな可愛い子だったのか。びっくりしたよ」
二宮「えっ・・・・・そんな」


小説3挿絵1縮小


二宮がもじもじし始めた

俺の前ではこんなしぐさ見たことないっていうのに
これだから女はムカツクんだ


二宮が俺に近寄ってこう言った

二宮「マジでセイのお父さんカッコいいね!!ヤバイ!惚れそう」
栖「・・・・・・・・・」


俺はあきれてものが言えなかった

博巳「あ、セイ!後ろ危ない」

突然お父さんが俺の肩をひっぱり抱き寄せた

栖「えっ・・・・」
博巳「ボケッとしてると自転車にひかれるぞー」

お父さんの腕の中は一瞬だったけれど、暖かくてとてもおちついた
そしてお父さんが俺の頭をポンポンっと叩いたのだった

二宮「・・・なんかいいーなあ・・・・そういうの」
博巳「ははは。可愛い女の子だったらもっと全力で受け止めちゃうけどね」
二宮「えーー!!やだ〜〜・・・セイのお父さん面白いですー」

二人はケラケラ笑った

俺は正直いい思いがしなかった

お父さんは俺だけのお父さん、なんだから
この胸の高鳴りと、安心感は他とは違う思いなんだ

これがなんなのかよくわからない俺だったけど
この先もこの気持ちは変わらないんだ


そう思った俺だった





つづく







栖縮小

木下 栖 13歳 164cm

私立の中学校に通う中学1年生
とにかく元気で前向きな男の子
食べる事と運動が大好き
ひょんな事から1989年の日本へ
タイムリープしてしまう事に・・・

博巳縮小

木下 博巳 36歳 180cm

セイのお父さん
人当たりがよく優しい
家族思いでなんでもそつなくこなす人
テニスとゲームが大好きな
結構おちゃめな人







栖はセイって読みます

なかなかいい名前つけれたと自負していますw
自分に息子ができたらこの漢字いいかも・・・・!!


博巳はひろみって読みます

こんな完璧なお父さんいないよ、うん
まあ、二次元だしBLだし目をつむってねw

なぜテニスかっていうと、ウチの両親もテニスやってて
私もそれがきっかけでテニスしてたっていうだけなのよv


セイの行動もほぼ自分だしね、多分

買い物はほぼ町田だったし、ちょっと都心出るときは
よく友達と遊びに行ったのは原宿でしたね
ていうか原宿ばっか行ってたな・・・なつい

そんな友達もみんな立派なママだよ・・・

  

From the bottom of the dake #23(最終回)





都内の大学病院の手術室の前の廊下の椅子で俺は、三田さんと二人座っている


もう・・・・
どのくらい経っただろうか

二人とも何も言葉を発しない


俺は・・・
ただ、有理が無事でいる事だけを祈っていた

ふと

手術中と書かれたプレートの明かりが消えた

日吉「・・・・・・!!」

俺は立ちあがった

三田「・・・・・・・・」

しばらくして担当医師だろうか
ドアから出てきた

医師「えっと・・・桜井さんのご家族の方でしょうか?」

家族・・・・
そうだ、有理は兄、なんだ

日吉「はい。・・・有理は・・・!」
医師「命に別状はありません。ただ・・・・一生歩けません」
日吉「・・・・・・っ!!」
医師「半身不随ですね。車椅子生活を強いられるでしょう・・・」
日吉「・・・そんな・・・・・」
三田「有理・・・・・・」

茫然としている俺に一例をして、医師は去って行った


半身不随・・・・・
一生車椅子・・・・・

辛い事実を叩きつけられたけれど
有理が生きている


それだけでもう、俺は何もいらないんだ

前を向いて歩くしかないんだ

三田「有理が・・・・この現実をどう受け止めるか、だね・・・・。仕事も今まで通りできないだろうし・・・有理・・・・大丈夫かな・・」
日吉「・・・・・。俺が・・・・俺が一生有理を支えます。有理のためにこれから俺が頑張ってもっと働きます」
三田「相沢君・・・・・」


有理が俺を助けてくれなかったら
俺はこの世にいないんだ

今度は

俺が有理を助ける番なんだ


日吉「三田さん。俺、有理のそばにずっといます。三田さんの気持ちには答えられません。こんな俺に優しくしてもらって、好きになってもらって本当にありがとうございます」

三田「・・・・・・そっか、わかった」

そう言って三田さんは立ち上がった

三田「俺はもう、先に帰るけど・・・」
日吉「はい、タクシーで帰ります。後は大丈夫です」
三田「・・・じゃあ、おやすみ・・・」

三田さんが歩き出す

三田さん・・・・・


俺はまた椅子に座り、ずっと目を閉じていたのだった


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


次の日の夜、ついに面会謝絶が解け
俺は有理の病室のドアをノックする

日吉「有理・・・入るよ」

返事はない

俺はドアを開けると、有理が無表情で窓の外を眺めていた


日吉「・・・有理が無事で、よかった。俺、それだけでもう十分だよ。俺が仕事頑張るから。有理は少しでも身体良くなることに集中して」

ガシャーーーーーーン!!

有理が近くの花瓶を思い切り振り払った

有理「もうここに来るな。俺は仕事ももう出来ない。会社も倒産だ。三田のとこへ行け」
日吉「・・・・・・」

俺は落ちた花瓶と花をかき分ける

有理「そんなんどーでもいいんだよ!!!!こんな・・・・こんな情けねー姿見られたくないんだよ!!早く俺の前から消えろ・・・!!」
日吉「・・・有理っ!!!情けなくなんかないよ!俺は・・・・俺はずっと有理のそばにいるから・・・っ。自暴自棄になる気持ちはわかるけど・・!!」
有理「うるせえ!!!お前なんかに何がわかんだよ!!!俺が・・・今までどんな思いして、ここまでのし上がったと思ってんだよ・・・!!!わかったような口聞くんじゃねえ!!!」


有理の気が動転した姿

いつもクールな有理・・・・・

日吉「・・・今日は・・・・帰るね。でもこれだけは本当に信じてほしい。俺は有理を愛してる。俺がこれから有理を支える。有理の為に生きるから」
有理「・・・・・・・・・っ」
日吉「それじゃあ・・・・ゆっくり休んで・・・」

そして俺が病室を出ようとすると


有理がポツリ、と言った


有理「お前って・・・ホント・・救えないバカだな・・・」
日吉「・・・・・・・」

有理がかすかにほほ笑んだ


有理の初めて見た笑顔だった

そして俺は


その場を後にしたのだったーーーーーーーーーーーーーーーー


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

俺が病院を出ようとすると
担当の看護婦さんが血相かえて走ってきた

看護婦「あのっ・・・あの・・・・、桜井さんが・・・桜井さんが屋上から飛び降りましたっ!!!目を離した隙に・・・こんな・・こんなっ!!」

日吉「あの・・・何、言ってるんですか・・・俺、ついさっきまで話して・・・・」
看護婦「飛び降りたんです!!自殺・・・・したんですよ!!!」


ーーーーーーーーーーー俺の手からカバンが落ちた


日吉「はは・・・そんな・・・だってさっきまで・・・有理と」
看護婦「・・・・・・・っ」
日吉「そんな・・・・俺が出るとき・・・笑って、くれたもん・・・」
看護婦「気をしっかりもってください!!・・私は病室へもどります・・・・」

看護婦の声なんて、聞こえなかった


日吉「初めて・・・・有理、笑っ・・・・・・・たんだ・・・・」

俺は立っていられなくなり
その場で尻もちを、ついた

日吉「嘘だ・・・・・嘘だ・・・そんなの嘘だあ・・・・・っ!!!!!!」

俺は

人目を気にせずその場でただ一人、叫んだのだった


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


日吉「・・・・・・有理」

俺はそのままの足で、有理と出会った場所に来ていた


有理と、再会した場所


俺はふと、ズボンのポケットから携帯を取り出す
有理からもらったプレゼント・・・

ずっと電源は消したままだった
俺が電源を入れると、留守伝言が一件、入っていた

送り主は・・・・有理からだった

俺は再生ボタンを慌てて押した


有理「・・・・お前はまだ若いんだから、俺なんかの世話なんかしないで圭介と一緒になれ。圭介なら信用できる。・・・・俺のこれまでの人生、ロクなもんじゃなかったけど、養子に出される前と、お前といた時間はそう悪いもんではなかった。・・・・あの日、お前と出会ったのは・・・偶然だったんだ。だけど、すぐにお前だってわかった・・・・・・・・一目惚れ・・・・・だったんだ」

そこで伝言が切れた


日吉「・・・・・ひと・・・・め・・ぼれ・・・」


俺の目から大粒の涙が、こぼれた

滝のように流れ落ちる

とめどなく流れる


小説2挿絵23縮小



有理



俺も今から有理のそばに行くから

そしたら俺たちは永遠に一緒になれる気がするから

有理と一緒にいた4か月は幸せに満ちあふれていたから




今、会いに・・・・行くから


俺はフェンスを乗り越え

幸せな気持ちで満たされながら


飛び降りた



記憶の最後に刻まれたのは







有理のはにかんだ笑顔、だった




終わり




あるカンです


自分でキー打ってて、泣きそうになりました←

なんとか完結できました


感想などいただけると嬉しいです

救えない話、好きですね←

なんかもう、自分、ドラマの見すぎ!!ww


まあ、きっと、二人は天国で、一緒になれますよ


いや、でも自殺だから無理かな・・・

いやーーーー!!!!
とにかく完結できて感無量ですうう

有理が描けなかったのが失敗だったかな・・・


また梅酒飲むかな!!!


ははは!!!


ラストはあらすじがっつりできてたんで頑張ってさっさとアップしちゃいますた

これですっきり!!!

完全創作って大変だけど、やっぱり楽しいなってつくづく思いました


今まで読んで下さった皆様

本当に有難うございました!!(´∀`)